バリアフリーおもちゃ作りのきっかけ

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すべてはこどものつぶやきから
工作キットが生まれるまで

  • こどものつぶやきに 初めて疑問を感じる
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  • すべてのはじまりは現在13才の車いすユーザーの娘の(当時3才)「ママどうして車椅子のお人形はないの?」という言葉でした。
  • 「ママ、おかしいなあ。なんでないのかなあ?」「さがしてもさがしてもないね」とつぶやいた言葉。私自身、今まで考えたこともなかったことなので、その言葉がとてもこころに残りました。当時、周りを探しても当時見つけることはできませんでした。正直、ないことの方が不思議に感じました。
日本と海外の「車椅子おもちゃ」について
その頃は(10年前)まだPCも今のように普及していなかった頃で、ネットで検索をかけても車いすのおもちゃはヒットしませんでした。外国の車いすのおもちゃが 検索でヒットするようになったのはそれから数年後のことでした。まず見つけて嬉しかったのはアメリカのバービー人形シリーズに、バービーの友達としてベッキーという車いすの友達が存在することを知ったことでした。しかもそれはかっこいいフォトグラファーだったり、パラリンピックの選手だったりと障害があっても、そのままにその個性が輝いているおもちゃでした。未来への夢を持たせてくれる素敵なお人形の存在を見つけ思わず笑顔になりました。
現在も残念ながら日本のおもちゃの世界に車いすユーザーのおもちゃや人形はありません(幼児に人気のシルバニアファミリーシリーズには、車椅子、注射器などのお医者さんセットとしては存在します)子どもたちがおままごとで遊ぶ、りかちゃん人形位の車椅子があったら 遊びの世界でもっとバリアフリーのことのことも 自然に学ぶことができるのに残念、あったらなあ、、と思うだけでただ受身でした。
中高生との交流で、現状のバリアフリー
教育に疑問を抱き始める。
☆中高生から頂いた、思いがけないたくさんのメール
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娘が3才の頃から、娘の成長での気付きや学び、そして心のバリアフリーのことをHPで発信し始めました。それは同じような障害児のご両親となられた方へ、なにか参考になったらと想いをまとめたものでした。しかし以外にも、中高生の方々からもたくさんのメールを頂戴しました。そのほとんどが「心のバリアフリーのことを教えてください」というものでした。
そんなある日、高校生の女の子からメールを頂きました。
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私は今高校2年生で、夏休み課題の小論文に取り組んでいます。
それは、乙武洋匡さん著『五体不満足』の中から抜き出された文章を課題文とし、
問1課題文を200字以内で要約せよ
問2課題文を読んで「心のバリアフリー」について、あなたの意見を600字以内で述べなさい。 というものです。実は課題提出期限は今日までなんです、けれど私はどうしても手がつけられませんでした。
正直言ってこの小論文は「大学入試にむけての練習」で今回の課題で6つ目になります。120点満点で赤ペンで「それは違う」「こう書くべき」と、採点されて返却されるものです。ですから、1年生の頃から私(達)は、高得点を狙って「地球環境問題」や「高齢化社会」などの課題をたんたんとこなしました。でも今回の課題を手に取った時、私は文章が浮かびませんでした。今までどおりに書いてはいけないような気がしたんです。どうしたらいいのか解らなくて、インターネットで調べて見ようと思いました、そこで「ももかの宝箱」に来ることが出来ました。
色々なことを吸収できるように、ゆっくりと読みました。なんというか、すごく温かくて、優しくて、、、
・・・・略・・・・・たとえ点数が悪くなっても、今回の小論文には自分の言葉で、思ったことを書きます。
とメールを頂きました。正直そのメールに驚き、彼女が何かを感じて、自分の言葉で書きたいと思ってくれたことをとても嬉しく思いました。そしてその数ヵ月後、また彼女からメールを頂きました。
総合の授業で「心のバリアフリー」をテーマに研究していた高2の女の子です。その報告書を9月に提出したところ 来年の3月の全体発表会で「福祉」の分野の代表に選ばれてしまいました。他に3つくらいの分野があるのですが、福祉はその中でも人数が多い分野でした。だから本当にビックリしました。 HPを見つけなければ、私は代表に選ばれるような報告書は書けなかったと思います。本当にありがとうございました。
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彼女とのメールのやり取りを通して、私の中で、なにかがはじけました。
娘との生活の中で学んだ心のバリアフリーの大切さや、みんなにできる大切なことを次の世代へ優しく、温かく心をこめて伝えていく必要性を強く感じたのでした。
8才☆車いすの娘とのアメリカの旅を通して
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娘が8才の時にアメリカ・ディズニーワールドへ旅行しました。それは手術と長期入院、リハビリが決まり、手術前の不安を取り除いてあげたくて企画した、娘にとって初めての海外旅行でした。生きていると楽しいこともたくさんあるということを感じてほしかったからです。8日の旅でしたが、とても学びが多いものでした。実に100人以上の方が娘に「笑顔でこんにちは」と声をかけて下さいました。その中でもとびきりの出逢いが、多目的のお手洗いの前での出逢いでした。娘と私がドアの前で待っていると、ドアが開いて 中から大きなアメリカ人のお父さんが、片手に赤ちゃんを抱っこして、もう片手は5才の娘さんの手を引いて出てこられました。車いすの娘を見た瞬間、彼女はきょとんとしました。その瞬間にお父さんが、「笑って」「彼女にご挨拶しようね」と自ら素敵な笑顔で心のこもったご挨拶をして示しました。娘さんもすぐにお父さんの真似をして素敵なご挨拶をして下さいました。私はその瞬間に「心のバリアフリーの大切さを伝えられるアメリカはすごい!」と感心しました。とても気持ちがよく、日本にも広がってほしいと思ったのでした。
私自身アメリカは高校時代滞在し、また仕事で、何度も行き来しましたが、娘との旅行は今まで気がつかなかった、気づきと学びが多いものでした。
実に色んな体験をさせてもらいました。こんなに感動したアメリカ旅行は初めてでした。
子ども心をくすぐる、「心の扉」を開くものを創りたい!
大人も子どもも、心に感じるから行動化ができます。わくわく感が心の扉を開きます。そのためには幼児期からの心のバリアフリーを伝える、優しく、楽しくて、心の扉を開くようなわくわくする、なにか教材やおもちゃのようなものがあったら自然に学べるはず、、と心育ての教材作りを考えるようになりました。
セサミストリートから自然に学ぶ共生
学生時代、教育の論文をまとめるなかでセサミストリートを研究しました。「セサミストリート」等、諸外国の幼児用TV番組には車椅子の子ども、目が見えない人などが日頃からたくさん登場します。それらの教育番組を通して「みんな違っていい」ということを子どもたちは 自然に学ぶことができます。セサミストリートは実に多くの教育に関する賞を受賞しています。
日本において「おかあさんといっしょ」等の幼児番組には現在においても 車椅子の子どもや障害を持たれた人は不思議にもまず1人も登場しません。障害児をターゲットとした教育番組はありますが別々の番組で放送され、共生ではなく、分けられているのが現状です。
上記のことからも遊びの中で、おもちゃの世界でもバリアフリーのことや、色んな人がいることを伝えていくことで「共生」への心をはぐくみ育てていくことができると感じました。
「どうして歩けないの?」って聞いてもいいのでしょうか?
ハード面のバリアフリー化は随分日本も整備されてきましたが、ソフト面はまだまだ進んでいないように感じます。例えば子どもの「お母さんどうしてあの人は歩けないの?」という子どものストレートな質問に、親側もどう対処したらよいか分からず困るという声をよく聞きます。「見ていけません」と言ったり、曖昧な態度や無責任な発言で子どもたちに障害者に対するイメージを植え付ける場面にも私は何度も遭遇しました。関わった大人の一言で子どもたちに例えば、歩けない人=可哀想な人=マイナスの人とインプットされてしまいます。
「どうして?」と疑問を持った時が伝えるいちばんのチャンスです。 私は娘の成長と共に13年間、療育園、保育園、幼稚園、小学校、中学校、アウトドアやボランティアなど各イベントを通して、たくさんの子どもたちがどう娘に関わってくるのかを興味を持って観察してきました。
最初は、「どうして歩けないの?」と、そのストレートさに驚き、疲れた時期もありましたが、観察していると、面白いことに気付きました。 ストレートに「どうして?」と色んな質問をして、その疑問がクリアになった子どもたちは、その後も色んな形で娘に関わったり、できることを考えることをし始めます。これは実に2才児から見られます。しかし「どうして?」と疑問を持たない子ども、疑問を持ったとしても聞くことも、なにもしない子どもたちはその後、必要な場面が設定されるなければ、関わることもない、または少ないことを感じました。
障害のある人、また障害児の母親たちの多くは「どうして?」という 子どものピュアな関心の芽をつぶすことなく、色々と聞いたり、質問して欲しいと言います。それは知って欲しいからです。私たちは障害があろうとなかろうと、世界共通で「こんにちは!」と笑顔でご挨拶からはじめて、コミュニケーションをとることから友達になれます。世界中にはいろんな人がいるということを伝えてほしいと思います。中には、聞いて欲しくない人もいらっしゃるかもしれませんが、それは特別なことではありません。健常&障害関係なく、みんなそれぞれに違うひとりひとりだからです。どのような状況においても、相手の気持ちを 感じながらが、大切なことだと思います。
現行の「こころのバリアフリー教育」ってどんな感じ?
小学校へ入ると「車椅子に乗ってみる」体験をしますが、少し乗ってみて街探検等を行い不便さを考えるというもの。その頃には子どもたちは車椅子は特別な人が乗るものという思考からモノを考えるようになっています。さらに中学生、高校生になると総合授業で「こころのバリアフリー」が取り上げられますが作文や論文の課題提出後は、周りに障害のある人がいない限り、共生しあうことを学ぶチャンスはなく大人になります。
そして大人になってからは、
・何かできることをしたいが、どうしたらいいかわからない。
・周りにどう思われるかを考えると行動化できない。
・どのように関わってよいのかわからないから不安。
という声を多くの方から伺いました。
心の大切さを伝えるおもちゃを創りたい、きもち芽生えて
すべての人がしあわせになりたいと願うきもちは同じであり、地球に共に共生するためには、現行の教育だけではなく、「いろんな人がいるということ」 「みんなに大切なこころがある」ということを、幼い時期から遊びやテレビなどのプログラムでしっかりと子どもたちに伝えていかねばならないと感じるようになりました。
そして、私たちにできることとして、今までにない、バリアフリーおもちゃやコミュニケーションツールを作成することで、「こころの大切さ」を学べるものを創りたいと強く思うようになりました。
『楽しく遊びながら「共生」のことを学べるものを創りたい』
幼児期や小学校低学年のまだ大人たちのマイナスイメージが入ってない時期に、自由な発想とイメージ力、想像力で「車椅子」や「働く犬」(発売予定)を楽しく自由に作成する時間を作ることで 「楽しかった」プラスのイメージを子どもたちの心に植えつけます。こどもは自分の作品を分身のように感じるからこそ作成する作業をとおしてこころに感じることができます。
「環境」の大切さも学んで欲しいから
素材には地球にも環境にも優しい再利用できるダンボールを利用します。ダンボールのパーツを簡単に切り抜き組み立てます。車椅子の車輪等に自由な発想で絵を描き色をぬります。世界でひとつだけの自分だけのオリジナルの「世界でいちばんかっこいい車椅子」「かわいい車椅子」等を作成します。
その上で「車椅子」は乗っている人にとって大切な足であることや 心も乗っていること、介助犬、盲導犬、聴導犬、セラピー犬等働く犬たちの存在と役目、その仕事をクラスで共に考え学びます。
いままでにない 自分で自由に作る・楽しく作る・学ぶ 「こころ」に感じる教材です。
「みんなちがってみんないい」ことを学ぶ大切なステップとなります。
さらに大切な「国際的マナー」を学ぶ
アメリカでは車椅子であろうとなかろうと、人にあったときまず笑顔で微笑みます。そしてご挨拶をします。これが大切なマナーです。しかし 日本ではじーっと見たり 逆に見て見ぬふりをしたり、見下げる大人が多いのがまだ現実です。本教材はダンボールで車椅子やお人形、各パーツを作成するだけではなく、付属の小冊子絵本をとおして、心の大切さ、役割と国際的なマナーを学びます。
子どもから大人たちへ
子どもたちが楽しく作成して学んだ教材を自宅へ(地域の親子セミナー等)。いままでにないスタイルの教材に親御さんもきっと興味を持つでしょう。今度は 子どもたちから大人たちへその役割や学びを伝えていただけたらと思います。.
共生の時代に向けて
高齢化が進む現在、日本にはさらに高齢者や車椅子ユーザーがあふれることでしょう。しかし現状としてそれを受け入れるだけのこころの教育が遅れています。幼い頃からのマインド面の学びは今までの教育以上にさらに重要となるでしょう。「いじめ」も大きな社会問題になっています。幼い頃に「みんなちがっていい」ということを楽しく学ぶことはとても重要なことです。何ができるかを考えて行動化できる子へーーーと導く心に感じる、心のバリアフリーを学ぶおもちゃをこれからも作っていきたいと思います。